従来の酸化チタン粒子分散のしくみ
従来の酸化チタン粒子分散のしくみ
図1 中性域での従来型酸化チタン微粒子凝集のメカニズム |
大きな表面積を稼ぐために、粒径0.1μm以下の細かい コロイド状の酸化チタンを原料にすると、凝集しやすく、 均一分散が困難です。 そこで対策として、各粒子に電荷を与えて、 粒子どうしを反発(分散)させます。 ただし通常、粒子が電荷を持つのは、 pHが強酸性か強アルカリの領域です。 中性領域では電荷はゼロ(等電点が中性領域に存在) となり、分散しない状態になります(図1)。 従って、酸化チタンゾルのほとんどが強酸性 (H+を吸着して帯電)に調整されることになるわけです。 |
新しいコーティング剤の酸化チタン粒子分散のしくみ
図2 PAゾル中のアナターゼのTEM写真 |
新しいコーティング剤・イリスB01(PAゾル)中のアナタ-ス粒子の 表面電位を測定しますと、pH=7で-50mV程度持っています。 これは一般的な二酸化チタン粒子の表面電位に比べて高く、 数倍の絶対値を持っています。 つまり、液体中に存在しているアナタース粒子の表面にペルオキソ基が 修飾しており、そのペルオキソ基どうしの斥力(反発)によって、 中性域でもアナタ-ス微粒子が安定に分散できると考えられます(図2)。 ※ペルオキソ基(過酸化基)とは、 酸素-酸素1次結合(-O-O-)の構造をした基 |